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ミネルバ (ローバー) : ミニ英和和英辞書
ミネルバ (ローバー)[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ミネルバ (ローバー) : ウィキペディア日本語版
ミネルバ (ローバー)[ちょうおん]
ミネルバ (MIcro/Nano Experimental Robot Vehicle Asteroid, MINERVA) は、2003年5月9日、宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた小惑星探査機はやぶさに搭載された、小惑星探査ローバーである。なお、はやぶさの後継機として2014年12月2日に打ち上げられたはやぶさ2にもミネルバの後継機となるミネルバ2が搭載された。本稿ではミネルバ2についても説明を行う。
== 概要 ==

1995年8月に宇宙開発委員会によって承認された、宇宙科学研究所の小惑星サンプルリターン計画、MUSES-C(MU Space Engineering Satellite-C)計画では、アメリカとの協力関係を締結していく中で、NASAが開発する車輪型の超小型ローバー、MUSES-CNを搭載することが決まった。しかし日本独自のローバーの搭載も検討されるようになり、1997年からミネルバ(MIcro/Nano Experimental Robot Vehicle Asteroid, MINERVA)の開発が開始された。
しかしMUSES-C計画におけるミネルバの位置づけは、探査機の重量バランスを調整する重り代わりという位置づけであり、正規のプロジェクトではなくオプション扱いであった。バランス調整の重り代わりであるために厳しい重量、大きさの制限、そしてオプション計画であるがゆえの慢性的な資金不足、更には極めて小さな重力しかない小惑星というミネルバ目的地の環境に悩まされながらの開発となった。
検討を進めていく中で、ミネルバの移動機構はNASAのローバーが採用した車輪ではなく、ミネルバ内部のモーターが回転することによって生じるトルクを利用して、ホップをしながら小惑星表面を移動する機構が採用された。ミネルバ本体の開発は、限られた開発費用の中、宇宙科学研究所と日産自動車宇宙航空事業部(2000年からはアイ・エイチ・アイ・エアロスペース)と共同開発とし、設計から開発、そして資金面の手配も民間企業との共同で行った〔吉光、久保田、中谷、足立、斎藤(2005)p.276、川口(2010b)p.73〕。また放射線耐性など試験を行いながら、宇宙用ではない民生品を積極的に採用して経費の節減に努めた。そして地球から遠く離れた小惑星を探査するミネルバにとって必須となる自律機能を持たせるため、様々な工夫を施した。
NASAが開発を進めていたMUSES-CNは、2000年11月、開発中止となった。NASAのローバーの計画中止によってミネルバがMUSES-Cに搭載される可能性は著しく高まったが、ミネルバは正式プロジェクトに格上げされることは無く、最後までオプション扱いのままであった〔吉光徹雄、2006、『ISAS宇宙科学の最前線 次世代の小天体表面探査ローバの実現へ向けて』 2013年12月7日閲覧〕。結局2003年2月、直径12センチ、高さ10センチの正16角柱、本体重量は591g、分離機構などを含めても総重量1457gの超小型小惑星探査ローバー、ミネルバが完成した。ミネルバは日本初の宇宙探査用ローバーであり、また世界初の小惑星探査ローバーとなった〔吉光、久保田、中谷、足立、斎藤(2005)pp.276-278〕。
ミネルバにはホップ中に上空から小惑星を撮影する単眼望遠カメラ、小惑星表面で表面の詳細撮影を行う接写ステレオカメラ、内部と外部の温度計、光量から太陽方向を測定するフォトダイオードが観測機器として搭載されており、電源としては一面に貼られた太陽電池の他に、ホップ時や写真撮影時には2次電源として宇宙空間で初めて採用された電気二重層コンデンサを利用する。このようなミネルバは、ホップしながら小惑星表面を移動するという小天体用ローバーの移動メカニズムの実証、そして自律的小惑星探査手法の実証という2つの工学的試験を小惑星上でチャレンジすることになった。
2003年5月9日、ミネルバが搭載されたMUSES-Cが打ち上げられ、はやぶさと命名された。はやぶさが目的地である小惑星イトカワへ向かうまでの間、ミネルバは時々機器の電源をオンにして状態チェックを受けた。はやぶさは2005年9月12日、目的地の小惑星イトカワに到着した。はやぶさは2ヶ月近い探査の後、11月になって小惑星サンプルリターンのチャレンジを開始した。そして第三回目の着陸リハーサルであった11月12日、ミネルバははやぶさから分離されイトカワを目指したが、イトカワへの投下は失敗に終わり、世界最小の人工惑星となった〔世界最小の人工惑星の座は、2010年IKAROSのDCAM2により更新された。〕〔吉光徹雄、2006、『ISAS宇宙科学の最前線 次世代の小天体表面探査ローバの実現へ向けて』 2013年12月7日閲覧〕。そしてミネルバははやぶさ分離後、18時間に渡って通信を続け、データを送り続けた。
ミネルバはイトカワへの着陸に失敗し、小惑星上での工学試験は実現できなかったが、小天体用ローバーの移動メカニズムの実証、そして自律的小惑星探査手法の実証という工学的試験はミネルバの開発経過、そしてはやぶさ分離後18時間に及ぶ運用の中である程度行うことができた。現在、ミネルバの運用結果、はやぶさのイトカワ探査の結果などを踏まえ、2014年打ち上げ予定のはやぶさ2に搭載される、ミネルバの後継ローバーとなるミネルバ2の開発が進められている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ミネルバ (ローバー)」の詳細全文を読む




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